アマチュア無線の紹介

アマチュア無線の世界は余りにも広いので、一般の人が抱くイメージと一致するものから、余りにもダイナミックでイメージがかけ離れた世界までさまざまあります。

家の電話器と無線機を繋げられる現在のアマチュア無線。

 現在は電話と無線を繋げる事が許されました。ですので、携帯電話のような感覚で家の電話器を無線で繋げて無線機から直接電話をかける事が出来ます。これをフォーンパッチと言い、行動半径が狭く、家族の為に携帯電話やPHSを持ち歩く人等には初期費用(6万円程度)は掛かるものの長い目で見た場合非常に安価となります。ただし、無線の性質上話の内容は筒抜けです。また、電話(無線)の最中にアマチュア無線を通信の媒体に使用し

ているので、相手もアマチュア無線の免許とコールサインを持っていなければなりません。そしてコールサインも言わなければならないので調べれば誰と誰がしゃべっているのかも分ります。ただし、アマチュア無線業務である以上不特定の人々と同じ興味の話題を話すのが本来のアマチュア無線の目的ですので、全てはオープンが当たり前であり、喋る側も話は聞かれて当たり前と思っており、そのような状況での会話を盗み聞いても面白くもなんても無いので、わざわざ盗み聞きを行う人も居ません。ただし、興味ある話題ならば「ブレイク」を掛けられ話に割り込んでくる場合はあります。このブレイクは本来のアマチュア無線の姿そのもので有り、これをラウンドテーブルQSO(円卓交信)と呼ばれます。ブレイクを掛けられた方は通常はウェルカムの姿勢なのですが、ただ電話回線を使用している以上電話料金の関係もあり、そのような状況でのブレイクは無神経としか言いようが無く、電話回線をかましていると判ればブレイクを掛けるべきでは有りません。

 携帯電話が普及する以前は電話代わりにアマチュア無線を使っている人をよく見かけました。広いスキー場でも無線があれば仲間同士の連絡には事かきません。また仲間同士で車でつるんでドライブするにも車間同士で連絡が取れます。しかし、現在は携帯電話が有り、メール機能が付いた機種も有り、安価に同報を多人数に知らせる事ができるようになりました。このような状況で連絡用の道具としてのアマチュア無線の価値は低くなるのは当然です。しかし、単に連絡用としてのアマチュア無線では広い周波数を割り当てられたのに余りにももったいない。現在のアマチュア無線はチャレンジする遊びと変化しつつあります。

 

海外交信も超簡単

 現在の短波の無線機は非常に小型化され、誰でも手軽に海外との交信を楽しめるようになりました。少し前までは短波の機械は高価で設置はややこしく、初心者には向かない傾向にありましたが、技術開発により、小型化、高感度化、低ノイズ化が実現され車からの短波の運用の愛好者も急激に増えています。長いアンテナを取りつけている車がマイクを片手に運用していたらそれは正に海外と交信を楽しんでいる最中の車です。

 

人工衛星も使えちゃう

 アマチュア無線用の人工衛星も有ります。使用料は無料です。使用法は人口衛星にアンテナを向け、送信周波数と受信周波数を設定するだけです。アマチュア無線の衛星は静止衛星では無いので常に衛星を追跡しなければならず、追跡システムを購入するには高価なのですが、それはそれ、アマチュア無線は挑戦する遊びですので、手動で追跡したらいいのです。現実にハンドヘルド(手のひらサイズ)のトランシーバーに八木アンテナ(テレビのアンテナの形)を手で空に向け、海外の仲間とコンタクトを取っている人も居ます。これでも使用料はただ、ただし衛星の軌道と地球の位置関係の知識が必要です。しかし難しくありません。全ては少しのやる気と慣れだけですから。

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月さえおもちゃにしてしまう究極の月面反射通信

 アマチュア無線の究極でダイナミックな通信にEMEがあります。EはEarth、MはMoon、EはEarth地球が2回月が1回、これは何の事でしょう。実は電波が発射され戻ってくるまでの経路を言っているのです。月に向けて電波を発射し、月に電波をぶつけて跳ねかえった電波で通信を行おうというものです。これを月面反射通信と言います。その距離は往復70万キロ、天体観測が趣味の人は居ますか、月を遊びの道具として利用するのはアマチュア無線家しか居ません。以前はEME通信は高い技術力と投資が必要だったのですが、トランシーバーの低ノイズ化、様々な形態のアンテナの考案による高利得化、EMEを行う人の増加による相対的な機器の低価格化により手軽とまでは行かないのですが、挑戦する価値は非常に高い分野です。

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アマチュア無線のスプリント競技、コンテストの紹介

 競技無線(コンテスト)は私が本気で取り組んでいる分野です。私にとってアマチュア無線とはコンテストであると言えます。アワードはマラソン競技ですが、コンテストはスプリント競技です。コンテストの主催は主にアマチュア無線連盟、その支部、各アマチュア無線クラブ、或いは各国の政府、州等様々です。基本的には入賞者には賞状だけなのですが、中には賞品もでる場合があります。共通する大まかなルールは一定時間内に決められた地域のアマチュア無線局と何局交信出来るかを競うものです。そして、マルチプライヤー(掛け数)として決められた特定の地域を何地域コンタクト出来たかで交信局数×マルチプライヤーで総得点を競うものです。ハッキリ言って私の設備は非常にお粗末です。資格そのものは1級を持っていますが、許可を受けている出力は50Wしかありません。10メガヘルツと14メガヘルツを使用出来るので周波数的には2級と一緒なのですが、出力は3級と一緒です。しかも、アンテナも1級の局とは思えない位のお粗末さです。ただの銅線を地べたから適当に上に張ってロングワイヤーでの運用です。無線機からアンテナから全ての機材の合計金額は多分25万円位と思いまする。タワーなんて夢の叉夢、とはいっても建てたら撤去に大変なので建設するつもりも無いのですが。しかし、前回の入賞傾向を調べ、エントリーの駆け引きを行う事で入賞は十分に可能です。私は写真が趣味なのですが、何故かアンテナの写真は撮っていませんでした。近々公開いたします。多分皆さんの勇気は湧くと思います。いや私をなめてしまうでしょう。それくらいお粗末な設備です。そのお粗末な設備で稼いだ賞状を公開いたします。

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アマチュア無線の個人の歴史アワードの紹介

 アマチュア無線を続ける節目に何か記念になるものを得ようとする場合にアワードがあります。アワードは各種団体や新聞社、クラブ局が発行しているものまで様々です。発行者の数だけそのルールが有ると言って良いでしょう。その中でも日本アマチュア無線連盟が発行しているWACA全市交信賞、WAGA全郡交信賞は非常に難しいアワードです。名前から分る通り、日本にある全ての市のアマチュア無線局と交信してやっと条件がそろうのですからその数実に600以上です。他にも全ての国との交信を目的にしたDXCCも有ります。これらは全市交信賞よりもさらに困難を極める為ポイント制となっています。海外交信を志す人は「DX(遠距離通信)とはDXCCの事である。」と言う人も居ます。アワードは正にマラソンです。アワードはコンテストよりも入門しやすいです。しかし、カード整理の大変さから飽きが来るのも事実です。ですので最初は簡単なアワードから攻めて行くのが本線でしょう。私が持っている超簡単なアワードを紹介します。

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アマチュア無線を利用したスポーツ競技ARDF

 ARDFとはAmature Radio Direction Findingの略です。訳すとアマチュア無線的方向探査とでも言いましょうか、かなりのハードな競技であり草原に送信機を5台置き、受信機とアンテナにより送信機を早く発見していく競技です。その距離実に5キロ以上。元々軍事訓練から派生した競技で、世界大会も毎年開催されています。日本でも各地で選抜が行われ、全国大会もあり、そこの上位の選手が世界大会へと進みます。競技そのものは結構きついのですが、エントリーはオープン戦ではなく、男女別は勿論の事、年代別に分れているので、高齢の人も安心して参加しています。また、競技その物は受信機とアンテナのみですからアマチュア無線の免許が無くても参加可能です。

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より遠くへ、移動運用の紹介

 アマチュア無線は自分が放った電波をより遠くへ飛ばすのが楽しみでもあります。それには高い所に昇り、障害物が無い場所からアマチュア無線の運用をするのが昔も今も常道です。特に登山が趣味の人はハンドヘルドの無線機を片手に山の頂上から下に向かって電波を放ち交信するのは格別な楽しみと聞きます。しかし、場所や季節を考え、安全な場所から運用を心がける必要があります。また登山とまではいかなくても、コンテストで勝つために車で昇れる場所から大掛かりな機材により運用を行う人もいます。

移動大好きHAM百科のJG1KTC 高尾さん

 

アマチュア無線的インターネット(パケット通信)の紹介

 アマチュア無線は声やモールスだけでは有りません。無線を電話に見たてて、パソコン同士を繋げたネットが作られています。 このネットはアマチュア無線衛星も使われていて世界規模のネットワークであり、アマチュア無線を使ったインターネットみたいなものと言えます。パケットを利用するにはまずアマチュア無線の免許は勿論ですが、無線機とパソコンを繋ぐTNC(Terminal Node Controler 有線のモデムみたいな物)が必要です。そして、テキストファイルしか扱えず、通信速度も遅いのですが、メールも使用でき、インターネットと違う最大の魅力はテキストしか扱わないので非常に軽い事と、全ての参加者が把握でき、各人とのコミュニケーションが取りやすいこと、通信費が無料でたぬきワッチ(無人運転)が可能であり、見たいときに見れる事、テキストしか扱わないので、普通の人ならタダでも欲しがらない286のCPUの旧式のパソコンでも十二分に使用出来る事です。

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http://www.ookawa.com